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BRAIN in
お腹が空いた。
ちょいと休もう、ランチタイムと洒落込もうか。
お腹が空いていて、食事をしたいのは果たして僕なのだがしかし、準備するのは面倒だ。
ましてや僕は九州男児だ、料理を男がするなど以っての外だろ、あってはならないことなのだ。
とてもではないがやってられない、冗談じゃないさ。
うんうん、だから料理は女のすることの筈だ、男に尽くすのが女の生き甲斐であると言っても過言ではない筈だ!
よしっ!
だから言うぞ、僕は言うぞ今こそ!
僕は、男の中の男になる!!
「羽治羽、飯を作りやがれ」
「うるせぇ自分でやれ」
「はぃ!」
羽治羽が言い終えた瞬間に、僕はそんな返事をしていた。
とんでもない甲斐性の無さだ。
僕、ほんとに男なのだろうか。
実は僕っ子のかわいい女の子だったりしないだろうか。
もしそうだとしたらこの小説の売れ行きは心配ないな。
百合展開で一儲けだ!
「あと、瞬駆は九州男児じゃないから、僕っ子でもないから」
「地の文を読むのはやめろ!」
「?」
しまった、ぽかんとさせてしまった。
僕がこの世界を小説のようだと思い、頭の中で一人語りしていることがバレてしまう。
恥ずかしい!
「んん゙…………心の中を読むのはやめろ」
僕は九州男児でも僕っ子でもなく、チキン野郎で恥ずかしいやつだった。
勘弁してほしい。
一ネタ挟んだだけなのだ。
いや実際ふざけているだけであって、僕はこんなキャラじゃないよ?
信じて欲しいものだ。
大丈夫、これから取り戻していけばいい。
ページは幾らでもあるのだから。
ある筈だ。
あるよな?
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