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「冗談じゃ、ないわ。どうして、あたし達があんたと一緒に住まなくちゃ、ならないのよ!!」
留樹は勢い良く立ち上がると、癇癪を起こした様に叫んだ。
「私は、あなた達を世話する責任がある。一緒に住むのは、当たり前でしょ?」
妖は、少し困った様な、表情をしながら、言った。
「ここに住むと仮定して、ここでのルールは?」
拓哉は静かな感情の見えない声で、尋ねた。
「拓哉!?」
留樹はぎょっとして、拓哉に叫んだ。留樹を片手を、あげて制すると、もう一度尋ねた。
「あくまで、仮定だ。留樹。で、どうなんだ」
拓也の言葉に、深呼吸すると、ソファーに座った。
「……そうね、最初は自由よ。起きる時間も、寝る時間もね。慣れてきたら、色々とルールを作るけど。ただ、夕食を作るのだけは、皆にかわりばんこにマリアとサリアの手伝いをしてもらいたいわ」
妖は、少し考える様に、黙ってから口を開いた。
「分かった。少し、考えさせてくれ」
拓哉は、話を聞き頷くと言った。
「ええ、そうね。すぐに答えを出すのって、無理よね。答えがでたら、この地図の場所にある石盤に、自分の名を刻んで」
妖は、立ち上がると地図を置いて、リビングを後にした。
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