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私は気紛れで、森を出て。
街の中を歩いた。
あてもなく、
ふらふらと
ふらふらと
そして、路地裏から男達のの太い声が、聞こえてきた。
私はその声に、思わず舌なめずりしてしまった。
しばらく、男を食べていない事に気付いたから。
男達が五人、自分の方へ歩いてきた、と思うと私を見つけ、息を呑むのが伝ってきた。
男達の絶叫が辺りに木霊した。
絶叫を聞き付けたのか、たくさんの足音がこっちに近付いてくる。
私は慌てる事なく、男達を見下ろすと奥へ向かって歩き出した。
男達は恐怖に歪めて、目を見開いた状態で、絶命していた。
私が奥へ向かうと、少女が二人、少年が二人が、いた。
少女二人は、服を引きちぎられ、身体の至る所に、赫い痕がついていた。瞳には、涙の跡が残る。
少年二人は近くの壁に背を預ける形で座っていた。
全身に切り傷や打撲、擦傷がたくさんあり赤い染がついている。
どちらも、気を失っている。
私はなぜか、四人を無意識のうちに腕に抱いて、その場から消えた。
背後から"魔の森の魔女が現れた!?"と叫ぶ声が聞こえた。
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