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妖が四人分の着替えを持って、留樹達がいる部屋の扉をあけると、留樹達はベッドの上に上体を起こしていた。
四人共、服は所々破け、砂埃や血で汚れていた。
「おはよう、昨日はよく眠れたかしら? そんなに、警戒する必要はないわ。ここは、安全な場所だから」
妖は、心持ち優しく言った。
相手に警戒心を抱かせない様に、注意して言葉を選んで。
「あんた、誰だ?」
「私は、妖。この屋敷の主よ」
妖は、四人分の着替えを、昨晩自分が座っていたイスの上に、置きカーテンをしまい窓をあけた。
部屋いっぱいに、朝日が差し込み、清々しい朝の香りを運ぶ風が、吹きカーテンを揺らし妖の髪を撫でた。
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