1,話し合い

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 四人は、お風呂に入れられ、それぞれ手渡された服に、着替えた。  留樹は、淡い緑に染めた布地に、深緑色の糸でリーフが、刺繍された半袖、黒い迷彩柄の半ズボン。茶髪のセミロングを蒼色のゴムで、髪を結んでいる。  泉は、山吹色のカーディガンを羽織り、カーディガンの下に白地に、銀のラインがあしらわれたワンピース。腰まである金髪を、背に流している。  大輔は、紺地に炎の刺繍された半袖のパーカーに、茶色い七分丈のズボン。こげ茶色のボブカットに、光の加減で、色が変わる黒い瞳。  拓哉は、赤地に黒で炎の絵が、プリントされた半袖に、茶色い半ズボン。肩までの茶髪に、同色の瞳。  着替えたのを見計って現われた妖に、連れられてリビングに、やってきた留樹達は辺りを物珍しそうに、見回した。  フローリングは、綺麗に磨かれて、ツヤツヤしている。リビングの中央に、円形の奇怪模様の絨毯が敷かれている。  絨毯の上にガラス板がはめられたテーブル、テーブルの上には、一輪差しに生けられた百合の花。  テーブルの前には、藤色の布に白糸で、羽根が刺繍された布が、かけられたソファーが置かれてある。壁には、空にかかった虹の絵が織られたタペストリー。  妖は、留樹達をソファーに座らせると、部屋を出て行った。 「ねぇ、留樹」 「なに?」  泉は、自分の隣に座っている、留樹に声をかけた。  留樹は、隣の泉に一瞥を投げると、言った。 「なんで、私達を拾ったのかな? 私達を、拾っても妖さんには、なんの利益もないのに」 「ふんっ、ただの自己満足でしょ。どうせ、同情や哀みで、拾ったのよ」  泉は、今にも泣き出しそうな表情で、呟いたのに対し、留樹は、額に皺を寄せて、ぶっきらぼうに吐き捨てた。 「泣くなって、泉。な? 俺達が、ついてる」  拓哉は泉の頭を撫でながら、慰めた。 「うん…」 「偽善者…………」  瞳に溜まった涙を拭って、泉は頷いた。  大輔は、窓から見える風景を睨み付けながら、淡々と呟いた。 「あら? 私は、同情や哀みで、あなた達を拾った覚えは、ないわよ? 偽善者っていうのは、ちょっと堪えたかな」 『!!』  突然背後から、声が聞こえてきて、慌てて後ろを振り返った。  気付かなかった、人の気配に人一倍敏感だと、自負している自分達が。背後に立たれ、声を掛けられるまで。
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