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留樹達の反応を見て、おかしそうにクスクス笑いながら、妖は留樹達の正面に座った。
「どうしたの? そんなに、驚いて。ふふ」
妖は、可愛らしく首を傾げて、目を見開いたまま、硬直して動かない、留樹達に尋ねた。
「どうして、私達を拾ったの?」
「なんで、私達の名前、知ってんの」
「ここは、魔の森と呼ばれてる場所だろ? なんだって、こんな所に住んでんだ」
「あんた、何者んだ?」
留樹達は硬直から、我に返り、矢継ぎ早に、質問した。
「あなた達を拾ったのは、あなた達が、迫害を受けている所を、見たから。あなた達の名前は、役所で調べたの。そうよ、ここは魔の森。私は、人と馴れ合うのが嫌いなの。だから、人が寄付かない魔の森に、屋敷を構えたの。他に、質問は?」
リビングの扉を開け、ティーセットを持った二人の少女が、入ってきた。
『主様。お茶をお持ちしました』
「ありがとう、マリア、サリア」
マリアとサリアは、声を揃えて、会釈をしながら言った。
マリアは、桜色のセミロングに紅い瞳。肌は透き通る白さ。黒いメイド服に、身を包んでいる。
サリアは、空色のセミロングに蒼い瞳。透き通る白さ。白いメイド服に、身を包んでいる。
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