ふたり

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綾「文化祭の出し物を決めたいと思います。 何かやりたいことありますか?」 「カフェがいい!」 「お化け屋敷だろ」 「劇やりたい!!」 … 口々に言われる候補を俺が下手くそな字で黒板にまとめていく。 綾「じゃぁ内容を教えてください。 まずカフェから」 「えーと………」 ……… 綾「この4つの候補の中から多数決で決めたいと思います。」 ……… 綾「ではカフェで決まりです。」 ……… 綾「買い出し係ジャンケンで決めるんで集まってください。」 ジャンケンホイ! 沖「あ……」 俺が出したのはグー、他の人は全員まさかのパー。 沖「ぉ前らグルかぁ!」 友達1「えー知らないよ~」 友達2「友達だから息が合っただけだって」 沖「じゃあ何で綾梛までパーなんだよ! グルだろ!」 綾「偶然よぐーぜん♪」 友達3「まっ頑張れ~」 綾「クスッ 私…付き合ってあげようか?」 沖「…はい!!? ぇ? はっ? ななななななな!!!」 綾「どーしたのよ急に💦」 沖「#$&%*\!!!」 綾「…///! ちっ違うよ! あの、そーゆー付き合うとかじゃなくってっ…えと💦」 沖「///」 綾「買い物! …だから…」 沖「………」 (完全に勘違いじゃねぇか! ……恥ず!!) 綾「////…」 沖「…ありがと…」 綾「じゃっ…じゃあ今度の日曜日駅集合ね!」 沖「…あぁ…」 (これからじゃないのか…よかったバイトに遅れるとこだった…💦) ……… 普段通りの私服を着て集合場所で待っていた。 ボーっと待っていると バシッ! と肩を叩かれた。 沖「てっ!」 綾「なんて顔してんの! ほんとに」 沖「!……サッサと終わらせるぞ」 綾「うん」 二人で商店街を歩いていた。 俺は沙紀の方をあまり見なかった。 …いつもの君じゃなかったから 髪も巻いて 薄いピンクのフワフワした服を着て いつもの眼鏡がなかったから… 見惚れてしまいそうだったから なんだか隣を歩く彼女が、あまりに楽しそうだったから こんな時にこんな事を思ってしまった俺が恥ずかしくなってしまった。 そんな俺に 綾「どうしたの? さっきから黙って………楽しくない?」 沖「え!? い、いやそんなことはない…」 ちゃっかり荷物持ちにされたけど…、それでも"楽しい"って感じたのは…きっと隣に居るのが君だったから いつもと違うおっとりした君に会えたから、幸せだと思った。 ……… それから大分経って、やっと…これが恋だと気付いた。
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