ふたり

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少しでも君と居たくて 沢山の短い時間を過ごしたくて 俺から声をかけるようになった。 沖「綾梛! 弁当食お!」 沖「綾梛~帰ろ!」 とかとか… 君はいつも"いいよ"っていい返事を返してくれる。 それが嬉しくて調子に乗った俺は "弁当一緒に食お?屋上で待ってる" って言って待ち伏せてた。 君が来たらバッって出てきて脅かすつもりだった。 君は昼食の待ち合わせ場所の屋上に来た。 俺は計画通りに飛び出したが、足を捻ってしまった。 バランスを崩したまま君に倒れ込んでしまったのだ。 沖「ごごごごごご…ごめん!!」 慌てて離れても、抱きついてしまったのは事実な訳で… 予想通り バチンッ! と清々しいほど良い音が響いた。 ……… その後、授業に出たくなくてずっと保健室にいた。 途中で足音が聞こえた。 沙紀の足音 沙紀の声 (こんなにも俺は……君が分かる 君は…………気づいてる?) あの時、カーテンの向こうに沙紀が寝ているのにきづいてた。 でも、会いづらくて…謝れなくて…声がかけられなかった。 こんな近くに君が居るのに……情けない…俺は……嫌いだ。 ……… 帰りのSHRにはでた。 沙紀の小さな後ろ姿を眺めていた。 (怒ってる?) (怒るよな……謝らなきゃ…) SHRが終わり俺が号令をかける。 皆がいつも通り一斉に帰って行く中俺は沙紀に声をかけた。 沖「ぁの……沙紀………昼はゴメン!」 皆帰ってしまい教室は二人だけになった。 沖「えと…とにかく謝りたくて…ごめん!」 俺は勢いよく頭を下げた。 沖(怒ってる? 許してくれる? …やることはやった…ハズ…) 目をギュッとつむって頭を上げた。 沖(くるかビンタ!?) そう思った瞬間、勢いよく体に何かがぶつかった。 驚いて目を開けたら沙紀が抱きついていた。 沙「私もごめん! 手あげちゃって……痛かったでしょ…?」 沖「結構響いたな…アレ」 笑いを含みながら言った。 沙「ゴメンね? …でももとはといえば沖くんが悪いんだからね!」 と言いながらプイッっとふててしまった。
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