ひとり

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そして計画1日前 君を誘って出掛けた。 会わない時間が続いたから、その分二日間ずっと一緒に居ようと思って でも1日目の午後から雨が降った。 大型台風直撃の大雨。 明日も雨は止まないらしい。 でも明日の午後3時。 初めてデートらしいデートをしたあの海辺。 この指輪を必ず渡す。 ずっと強く思ってた事、変えたくない。 ……… 危ないのはわかってる。 でもこの日、この場所がいい。 君はこの海を覚えてくれてるだろうか? 覚えて居なくても俺にとってはここは記念の場所。 記念日に記念の場所で新しい記念をつくりたい。 ……… 午後3時、沙紀を海辺に呼び出した。 俺もすぐに行こうと思っていた。 でも肝心の指輪が見つからなかった。 鞄をひっくり返して探した。 やっとみつけて君の居る海辺へ急いでいった。 ……… 沙紀は待ってくれた。 十数分ずっと待っていてくれた。 傘をさしているけど、横から叩きつけるような雨には傘も意味なく濡れていた。 沖「沙紀ぃーーー!!」 沙「真人! いつまで待たせるのよ!」 言いながら笑ってた。 沖「ごめん! 今日どーしても渡したいものがあって…」 沙「いいよ 来てくれたんだから」 沖「えっと…コレ…」 小さな箱を取り出し沙紀に差し出す。 沖「沙紀……俺………ぁ…愛してる! 俺と結婚してくれ!///」 沙紀は箱から指輪を出して自分の左手薬指にはめた。 そして俺の手を強く握って 沙「…これが私の答だよ」 傘も放り出していた。 身体も濡れて沙紀の手も冷えていた。 沖「沙紀…早く戻った方が……体ひえてるし…」 沙「ぇ………うん」 沙紀は少し残念そうな顔をして頷いた。 ………
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