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割と最近、悠灯の肌がとても好みだと気付いてしまった。
白くて、しっとりしている。その感触が、クリティカルヒットだった俺は、最近ことあるごとに理由をつけては、あいつの肌に触っている。
すりすりもちもちと好き勝手に触っていた。
(もう、救いようがねぇな…)
「ほら、寛大な悠灯サンから湿布のプレゼントだ!」
床で伸びてる俺の腰に、ビタンッと湿布が貼られた。それはもう、思い切り。
「冷てっ!痛っ!!」
「知るかよ。変態クン。」
(つ、冷たい…)
湿布も、今の悠灯も
(まだ怒ってんのか…)
いや、怒っていて当然だとは思うが。悠灯の機嫌を窺うべく視線をチラリとそちらへ向ける。
視線は会わせてくれないものの、悠灯が湿布を慣らしてくれるのが気持ち良くて、目を細めてしまう。
悠灯の指は綺麗だ。きめが細かくて、なめらか。男にしては細くて、繊細だ。
この綺麗な指でバスケをやっていたとは…にわかには信じがたい。
「悪ぃな…俺…なんか。」
そう言ってうなだれる悠灯。
やりすぎてしまった、という自覚はあるらしい。
でも、悠灯のその様子からは、怒りや反省よりも落胆が見える。
(あー、またか)
…コイツ、また必要以上に自分を責めているのか。
たまに悠灯は、今みたいに自責で、ものすごく凹むことがある。
完璧主義者、になろうとする悠灯は…そのギャップに凹んで今みたいに急に沈んでしまうことがある。
完璧な男のようで、意外とメンタルが弱いのだ。
「…良いんだ。
変態の俺が悪い。」
そんなときは、そばにいて慰める。
不服そうな顔の悠灯を慰めるべく、むくっと起き上がって、その肩をさする。
「悠灯がヘコむ必要なんてねぇよ。」
その一言に、悠灯の顔が複雑そうに歪んで、そのまま俯いた。
少し上目遣いで俺を見てくる。
(ほっぺ、赤い、かわいい・・・)
悠灯本人が一番分かっているようで、分かっていない。今の自分を。
(男かよ…ほんとに…)
多分、少しの照れと、不服と、疑問が混ざって、混乱気味だ。
「っ…なんでッ…」
『そんなに優しいんだよ』って顔。
(・・・そりゃあな、当然だろ。)
悠灯はそこらの奴とは違う、【特別】なんだからよ。
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