LESSON:4 -another- ナグサメ(日速side)

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(・・・どうする) このまま進むことにも、問題はある。 今後の俺たちの関係に影響を及ぼすのは、確実だ。 場合によってはいろいろなものを失うかもしれない。 悠灯の一番傍にいられるという、立場を失うかもしれない。 だけど、今この状況で、断ってしまう方が問題だった。 悠灯を悪い意味で正気に返らせてしまう。 そうしたら、悠灯は自分だけを、すごくすごく責めるだろう。 『俺はなにを考えてるんだ』と。 そして、きっと俺をこれ以上傷つけないように、なんて考えて俺の前からいなくなってしまう。 (・・・お前は、そういう奴だから) それだけは避けたい。 そして俺の本音は勿論、このまま進んでしまいたい。 理性は捨てられないとはいえ、こんな美味しいチャンスは、そうそうない。 ここで親友のことを想って程々にヤってやれるほど、俺はできた人間ではない。 「悠灯・・・抱くぞ。」 「ひずみ…」 少し低めの声の問いかけに、悠灯が俺の名前を静かに呼ぶ。 (いやだ、のサインじゃねーな、これは) それを肯定ととらえた俺は、悠灯のシャツのボタンに手を伸ばす。 その際に、悠灯の気を逸らすためにサラサラの髪を指で梳いてやることを忘れない。 こんな風に髪を梳くと、コイツは気持ちよさそうにして身を任せてくれる。 (ほら、今だって。) 悠灯が気付かないうちに、どこをどうすればお前が落ち着くかを…俺は熟知している(つもり)だ。 シャツの下・・・息を呑んだ。 初めて、間近で見るそのからだに対して、綺麗という言葉以外は出てこなかった。 悠灯は普通に男らしい骨格をしているし、筋肉も程よくついている。 それはとてもしなやかで美しい。 白い肌、胸にさくら色を見つける。 ああ…なんて、艶めかしい。 今すぐにでも愛撫して、俺だけのものにしてしまいたい。 男らしいのに、それにしては綺麗すぎる。 そのアンバランスさに堪らなくそそられてしまう。 ゴクリ、とあからさまに喉が鳴った。 …今まで欲していた存在が、目の前にある。 (やばい・・・普通にタつ…)
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