LESSON:4 -another- ナグサメ(日速side)

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口内で逃げる悠灯の舌を、何度も捕まえ、絡み付き、吸い、愛でる。 逃げるのを捕まえるのが、たまらなく気持ちよくて。 捕まえてしまえば、それは面白いくらいに素直で。 キスを受け入れるのも、こんなに上手いのだから、悠灯の今までの付き合った女には中々攻めてくる奴がいたのだろうか… なんて、頭の隅によぎったが、もう気持ちよすぎてすぐにどうでも良くなった。 (正解は怜さんです by作者) 「んっ・・・ふ・・・ぅ・・・」 「んっ・・・」 お互いが発する淫らな水音に、頭ン中がぐちゃぐちゃになっていく。 鼻に抜けるような、小さな悠灯の喘ぎが、俺の中の熱がジリジリと燻っていく。 だんだん、悠灯の抵抗がなくなってくのが嬉しい。 そもそも、傷ついて弱っている親友の関心を、その傷口から逸らすための行為だっていうのに。 それに漬け込んでこんなことする俺は、やはり最低だよな。 (けど、止まらねぇ…) 何度も言うが、俺は好きな奴の乱れた姿を目の前にして平気でいられるほどデキた人間じゃねぇ。 バリバリのヤりたいお年頃の男子高校生だ。 「…っ…は…ふ…」 余裕が無くなった悠灯が俺の腕にしがみついてくる。 「…!!!」 (クソッ…たまんねぇ…) 普段強気な、完璧主義者のコイツが、素直じゃないコイツが、弱っているとこうなるのだ、と再認識した。 ―――俺だけに、見せる姿。 このギャップがたまらない。 これだから、余計に他の男には見せたくない。 俺だけに見せろ、こんなカワイイ姿。 …通りで、俺の番犬度数がどんどん上がっていくわけだ。 次第に悠灯の力も抜け、更に深く重ねると怖ず怖ずと、自分から応えてくれた。 (うっ…これは…ヤバい!) 危惧している事態が起きてしまった。 …既に、臨戦体制だ、俺の息子が。 (悠灯にバレたくねぇ…!) 悠灯の服を脱がすときに、俺は服を脱がなきゃよかった。 下着だけだとバレそうなんだよ!! どうか俺の下半身を見ないでくれ、とキスしたまま切実に願う。 (引かれたくねぇ!!) 余裕がないって思われるのが、嫌だっていう、つまらない男の意地だ。 あと、普通は男相手にタッたりしないのに、俺のはこんな風になっているなんて異常事態に気づいて欲しくない。 (もちろん、対象は悠灯に限る。)
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