🆕プロローグ: 碧い風と旋律…そして僕等は出会う

7/7
前へ
/454ページ
次へ
「ほんとに?うれしい!! 元々大きな迅の目がさらに大きく見開かれる。 「ほんとうだよ」 「ありがとう!あ…悠灯?」 こんな至近距離で見つめられて指絡められると、すごくドキドキするんだが…? 「俺…絶対聴きに行くからね! 悠灯にまた会いたいんだ、悠灯みたいな人初めて出会ったんだ」 面と向かって「また会いたいんだ」なんて言われたら、嬉しいけど照れてしまう。 「…うん、ありがとう、待ってるから」 迅の笑顔はキラキラして眩しかった。 俺ももっと迅のこと知りたい。 もっと仲良くなりたい。音楽仲間として。 こんなふうに思える人なんて…何年ぶりに出会ったんだろう。心から嬉しかった。 ふ…と腕時計が目に入る。 なんと部活開始まであと20分しかないではないか! 「うわヤバい!部活遅れる!」 迅と過ごす時間が楽しくて時間が過ぎるのを忘れてしまっていた。 「足をとめてもらえて俺は嬉しかったけど… じゃまたね」 「またな!!」 迅に手を振り走り出す。 遅れたら海藤先輩にヤられる! 暫くするとまたフルートの音が聴こえてきた。 『無伴奏フルートのためのパルティータ』 …か。 バッハ好きなのかな …ってヤバい! 走れ走れっ!
/454ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1129人が本棚に入れています
本棚に追加