1129人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほんとに?うれしい!!
元々大きな迅の目がさらに大きく見開かれる。
「ほんとうだよ」
「ありがとう!あ…悠灯?」
こんな至近距離で見つめられて指絡められると、すごくドキドキするんだが…?
「俺…絶対聴きに行くからね!
悠灯にまた会いたいんだ、悠灯みたいな人初めて出会ったんだ」
面と向かって「また会いたいんだ」なんて言われたら、嬉しいけど照れてしまう。
「…うん、ありがとう、待ってるから」
迅の笑顔はキラキラして眩しかった。
俺ももっと迅のこと知りたい。
もっと仲良くなりたい。音楽仲間として。
こんなふうに思える人なんて…何年ぶりに出会ったんだろう。心から嬉しかった。
ふ…と腕時計が目に入る。
なんと部活開始まであと20分しかないではないか!
「うわヤバい!部活遅れる!」
迅と過ごす時間が楽しくて時間が過ぎるのを忘れてしまっていた。
「足をとめてもらえて俺は嬉しかったけど…
じゃまたね」
「またな!!」
迅に手を振り走り出す。
遅れたら海藤先輩にヤられる!
暫くするとまたフルートの音が聴こえてきた。
『無伴奏フルートのためのパルティータ』
…か。
バッハ好きなのかな
…ってヤバい!
走れ走れっ!
最初のコメントを投稿しよう!