太陽のたまご その16

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大体さ、あの人達に聞いたところで答えは決まっているでしょうに。 マ「しーくん!!これすっごーくオイシイねっ(*´◇`*)♪」 紅「やっべ!チョー旨いんですけど!!」 蒼「んま。よく出来てんなぁ…コレ」 ………てなところでしょう? 「アイツら何食わせても「うまい」しか言ってくれないんだよ。そうじゃなくてさ、意見が欲しいって時は、やっぱり和じゃないと…」 だからお願い!!なんて手を合わせちゃって……案外カワイイところあるんだよね、紫峰クンは。 「分かりましたよ。いただきます」 そう言ってお皿を取れば、ストイックイケメンは、まるで子供のように笑った。 コレはモンブラン系のスイーツで……なんて、紫峰の講釈を聞きながら、濃厚な栗のクリームとサックリとしたパイ生地にフォークを入れたその時、目の前の椅子にマサキが腰かけ、頬杖ついてニコニコと俺を見つめはじめたのだ。 「んふふ。かぁず、おいし?」 「いや……今から口に入れる所なんですけど」 そんなことは関係無しに、マサキの話は続いていく。 「花園の近くの森にも大きな栗の木があってね。秋になるとリスさんがたくさん運んで来てくれるの。キツネさんと…あ、クマさんもね。みんなで仲良く分けあって……」 クマ?……クマって。 一体どんな場所なんだよ花園ってば。 「ふーん…あ。オイシイ、これ」 マサキの話を聞きながら頬張ったそれは、優しい甘さが口いっぱいに広がって、豊潤の秋を感じさせた。 「ホント…オイシイよね……でも…この秋は………あの子達、お腹空かせてないといいんだけど…」 「秋が…どうかしたの?」 「…え?…あぁ、何でもないの!秋は実りの季節だよね!って話!!」 慌てて言葉を濁すマサキ。 花園でもたくさん採れるはずの栗の実なのに、お腹を空かせて…だなんて、おかしな話だろう? 「…ねぇ、マサキ?なにか……」 「あ!まだテーブル拭いてなかった!じゃね、かず。ごゆっくり~!!」 突然立ち上がった彼は、カフェの方へと走り去ってしまう。 アイツは絶対なにか隠してる。 どうして話してくれないんだろう? 信用されていないのだ…という思いが、悲しみから違うモノへと変わってしまいそうで…。 俺は、ぶるりと震えた身体を必死で擦ったのだった。 scene 17へ続く ………………………………… 愛情と愛憎は…紙一重だからね…(蒼麒)
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