初心に戻って

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最初に好きになったのは、声。 それから少し猫背で俯きがちな、背中。 一緒にふざけてキャンキャンしてたと思ったら、急に真剣な瞳で見つめてくるところ。 その凍てつくような光が、ほわぁっと和らぐ瞬間が好き。 ちっちゃくてクリームパンみたいな手。 そこがコンサートのステージ上でも、繋いで歩くと心が弾んじゃうの。 末っ子だからかな、実の弟みたいに甘えてくるところ。 でも、お兄ちゃんを全然敬ってはくれないけど。 扱いが粗雑になっちゃうのは許してね? それが、いちばん子の習性だから。 2人を繋いでくれた黄色い電車。 ずっと一緒にいる、大切なアナタ。 また早朝草野球しようよ! グローブとかの道具は用意してあるし。 メンテナンスだってバッチリだよ。 ねぇ…………オレの名前を呼んで? 地球の裏側からだって駆け付けるから。 『ずっと一緒にいますね』 『うん。ずっと一緒にいるね』 『これからもずっと……』 『このままずっとだよ』 かず…どうしたの? 泣いちゃダメ。 んもう……本当に泣き虫さんなんだから。 そんなに泣いたら、ここに川が出来ちゃって、オレが動けなくなっちゃうじゃん。 笑ってよ。 キミの笑顔が大好きだよ。 だからずっと……。 『翠さん………虹が…綺麗だよ』 ……………………………………… あれ? タヒねたっぽくなってるっ!! ………おかしいなぁ…
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