乱視的な満月

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「今日って満月だったっけ?」 灯りを落としたリビングの大きな窓から差し込んでくる、柔らかな光。 ソファーに寄りかかって、2人で月を眺める。 隣からクスクスと小さな笑いが聞こえてくるから、ちょっとそちらに顔を向けると、何だか楽しそうに笑う貴方がいて。 「ねぇ、紫くんさ。裸眼で月を見てるでしょ?」 「あ。そう言えば…。さっき目がゴロゴロして…」 コンタクト外したままだった。 近くの物なら問題なく見えるし、家に居るなら特に必要はないし…。 一番近くにいる貴方の顔さえ見られれば…それだけで良いとさえ思う。
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