乱視的な満月

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「今日の月はねぇ、半分くらいかなぁ」 「え?そんなもんなの!?俺には満月みたいに見えるけど…」 ローテーブルに置いた、つまみのサラミをパクリと半分だけ食べて、目の前にかざされる。 「見て。こういう形だよ」 確かに半分。 「ってことは、俺の近視で乱視が乱れまくってて、満月に見えてんの!?」 「…かもね」 クスクス…楽しそうな貴方。 「…乱視が進んでる事、ちょっとショックだったんだけどな」 ふてくされて、グイっとグラスのワインを空ける。
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