俺と覗きと強化合宿《四日目》

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カチッ カチッ 時計の針の音が妙に大きく聞こえる。昨日まではそんなこと気がつきもしなかったのに、今になってその音が気になり始めた。 雄「明久、光。今更ジタバタするな。補充のテストも全て受けたし、写真も回した。やるべきことは全てやったのだから、あとは何も考えずに戦うだけだ。そして、純平。お前はもっと落ち着け。踊ってんじゃねえよ。」 純「これは願掛けで神に舞を奉納しているだけだ。なにがいけない。」 雄「一言ですますと、鬱陶しいからやめろ。」 部屋の隅で目を瞑っていた雄二が明久と俺の様子に気がついて声をかけてくれた。こういう時はコイツの神経の太さが頼もしい。そして、純平はどこまでもマイペースだな。 秀「D・E・Fクラスは昨日に続いて全員参加のようじゃ。あとはA・B・Cクラスが協力してくれるかどうか、じゃな。」 今日は点数補充の為のテストのせいで殆ど根回しに行けなかったから、写真を回した結果がどうなっているのかわからない。結果は作戦開始後に初めてわかることになる。 会「…………今日こそ借りを返す。」 密かに闘志を燃やす会長。あの写真は会心のできで、今日の会長は凄い勢いで問題を解いていた。今夜の会長は一味違う。 雄「作戦開始も近い。最後の打ち合わせを始めるぞ。」 瞑っていた目を開け、雄二が俺らの前にやってきた。それに続いて秀吉と会長と純平も集まってくる。 雄「俺たちがいるのは三階だから、三階・二階・一階・女子風呂前の四カ所を突破しないと目的地には辿りつけない。」 部屋の割り振りは三階にE・Fクラス、二階にC・Dクラス、一階にA・Bクラスといった形になっている。俺らのいる場所は女子風呂から一番遠い。
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