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「わ、わわすれなさい!!」
「はぁ!?」
「い、いいから!!この事は忘れなさい!!///」
「わ、分かった!!忘れよう!!忘れるから早く自分の部屋に戻れ!!」
「い、いいわね!!こ、これは事故!!そう、不幸な事故なの!!た、確かに君の顔はストライクだけど、た、他意があって潜り込んだわけじゃ――!!///」
「ちょ、ちょっおま!?パニックになってるのは分かるがあまり口を開くな!!墓穴掘ってるぞ!!」
「ッ!!」
そこからのルリの身のこなしは見事だった。
残像をその場に残すような素早い動きで毛布から抜け出したかと思うと、風となってドアから出ていく。
ギャグテイストの逃走音と(もうお嫁にいけないぃ)というテンプレのセリフが聞こえたような気がしたが、聞かなかったことにしよう。
その方がお互いの為だ。
蓮は再び静寂が訪れた部屋で溜息をつきベッドに潜り込んだ。
そして、再び眠りにつこうとするのだが…
チュンッチュンッ…
「……寝れるわけねぇだろ」
結局あれから一睡もできないまま鳥の囀りと共に、カーテンの隙間から光が漏れだす。
蓮は重たい体を起こし、仕方なく着替え始めた。
薄らと目の下にクマがあるが、一日睡眠を抜いたぐらいでどうにかなる鍛え方はしていない。
新調した外瘻を羽織り、仮面に手を伸ばして顔につける。
今日の予定は何だったかと思い出しながら、ドアを開けてまだ寒さが残る廊下へと歩いていった――…
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