学園への介入者

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――休日 久しぶりにギルドへ来ている蓮とディオ。 これまた久しぶりにギルドの服に着替えた二人は、廊下ですれ違うメンバーたちと軽く挨拶をかわしつつ、ハースの自室へと向かっている。 「思ってたよりギルドも落ち着いとるな。ちゅうか、常駐しとるメンバーが若干少ない気もするけど…?」 「そりゃあこんな状況だしな。ハースの性格上、主要メンバーでない限り引き留めるってことも無いだろうし」 「引き留める?」 蓮の言葉に眉を寄せて難しい顔で意図を考えているディオに、溜まらず溜息を吐き出す。 「お前な…。アルカディア機構のジグとか言う首領の宣戦布告を直接聞いていたんだろうが。ならこれから先、ギルドは必ず事を構える。……ただでさえ、この前のプラント襲撃で少なくない犠牲が出たんだ。それからあまり間も置かずに戦争になると知ったら、心が折れる人間だって出てくるだろうが」 「ちゅうことは、今回の呼び出しって…?」 「まぁ、そういう事だろうな」 蓮の状態が元に戻った事はその日のうちに連絡を入れていた。 だが、その時にハースから指示されたのは"現状のまま待機"。 こうして今回蓮とディオを呼びつけたのだって、その待機から一カ月ほど近く経ってからだ。 「結局あれから機構の方にも大きな動きは無いが…。まぁ、そんな表向きの情報なんていくらでも誤魔化しがきくだろうしな」 地球と違い、情報の伝達についてはどうしても遅くなる。 更にはその伝達方法も人伝や書類等々、いくらでも人の手が加えやすい方法なため、信憑性も怪しいと来た。 独自の情報網や諜報員を持たない場合、そう言った正確な情報を得ることが難しいのが、中々に不便だったりする。 (まぁそれも、あまり地球とは変わりは無いんだが…) 今では当たり前になったネット媒体のおかげで伝達スピードは速くなったが、それでもあることない事、個人の主観や誇大化したりなど、信憑性が疑わしいのはどちらもどちらと言ったところだろう。 「そんなら、お前さんはどう考えとんのや?」 「今更聞くのか?俺がまだここに残ってる理由については前に話しただろうが。そのためには、ここほど最適な場所は無い」 「あの理由で納得しろっちゅうのがそもそも無理なんやけど…。変な所で頑固やなぁ」 「お前こそどうなんだ?お前の方は在籍期間は少なかったし、ハースだってそれを考慮して――」 「まだ結論は出せとらん。まぁ、状況次第っちゅう所やな」 蓮の言葉を遮ったディオは手を頭の後ろで組んで呑気にそんな事を言っている。 その様子に苦笑した蓮は、肘でそんなディオの脇腹を突いた。 「頑固なのはお前の方じゃねぇか」 「五月蠅いわ」 ディオも苦笑し、蓮の脇腹を突き返す――…
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