ジェネシスの始動

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ジェネシスの始動

「さぁさぁ!!ようやくお主の見せ場到来じゃぞ!!…って、うぬ?どこいったんじゃ~、蓮よ~。なんちゃって主人公の出番がようやく来たんじゃぞ~?」 「違うわ。そこのステップはこう。後はこの繰り返しだけど、相手の反応を見て距離を縮めたりしなさい。相手に取り入る為には、受け身だけじゃダメ。そこら辺の駆け引きも重要になってくるのよ」 「一度に全部教えられてもな……。えと、こうか?」 「そうそう。あと体から無駄な力を抜いて、淀みなく相手をエスコートしなさい。それと表情にも気を付けて。間違っても、いつもみたいに唇を固く結んで不愛想にならないようにね?」 「……努力してみる…」 「って、ちょっと待てぇぇぇぇい!!何故にルリとダンスなぞしておる!?」 「あぁ、ソルヴィか。…いや、どうにも次の任務、好き勝手暴れるわけにもいかなくなってな…。ハースから任務中はルリと一緒に行動しろって言われて、取り敢えず必要なマナーとかを学んでるんだが…?」 「何悠長に構えておるのじゃ!?さ、先程の章でロッティが思い悩んでおるというのに!?」 「今学園のアイツらに声を掛けても、事態が急変するわけでもないしな…。俺は俺に出来る事から手を付けてるんだが――」 「こんの阿呆がぁあ!!」バシンッ!! 「いった!?何すんだよ?」 「もう知らん!!少しは他人を気遣うというのが出来んのか、この馬鹿たれが!!」 「お、おいちょっと待て!!何か誤解して……って、行っちまった…」 「ふふ、しょうがないじゃない。周りから見たら、今のアナタ落ち着きすぎだもの。彼女があんなことになってるのに、彼氏であるアナタが他の女と踊ってる所を見て勘違いしないはずもないでしょう?」 「…分かってる…。今回ばかりは、俺もおふざけ無しだ」 「そうね…。ここら辺で一度ロッティの彼氏が誰なのか、貴方の行動で黙らせる必要があるみたいだし、ね?」 「……そう…だな…。たまには、彼女に格好いいところ見せないと、愛想を尽かされそうだしな」 「男の子、だものね。精々見栄を張って来なさい」
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