最初はグー

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「お願いします!!」 放課後の音楽室前で、 男女が二人、向かい合っていた。 男の方は頭を深々と下げ、 何か叫んでいた。 「お願いします!僕と・・・ 僕と付き合ってください!」 そう、「告白」だ。 この状況を簡潔に説明するのであれば、それは、「告白」というものだった。 男は先ほどの言葉を言ったきり、ずっと頭を下げている。 「馬鹿にしないで!」 甲高い声で発せられたその言葉に、男は「えっ?」と呟きながらゆっくりと頭を上げた。 「そんなの嫌に決まってんでしょ!!!」 言葉と同時に握り拳が僕の方へと近づいてきた。 躊躇無く、正直すぎる拳だった。 こんな感じで、僕の初めての告白は、グーで一発KOという結果となったのであった・・・。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加