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「お願いします!!」
放課後の音楽室前で、
男女が二人、向かい合っていた。
男の方は頭を深々と下げ、
何か叫んでいた。
「お願いします!僕と・・・
僕と付き合ってください!」
そう、「告白」だ。
この状況を簡潔に説明するのであれば、それは、「告白」というものだった。
男は先ほどの言葉を言ったきり、ずっと頭を下げている。
「馬鹿にしないで!」
甲高い声で発せられたその言葉に、男は「えっ?」と呟きながらゆっくりと頭を上げた。
「そんなの嫌に決まってんでしょ!!!」
言葉と同時に握り拳が僕の方へと近づいてきた。
躊躇無く、正直すぎる拳だった。
こんな感じで、僕の初めての告白は、グーで一発KOという結果となったのであった・・・。
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