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「はーーー疲れたーーー」
暑かった日差しが、西日に差し掛かってきた。
バス停までつくと、4つもの袋をドンっと地面に置いた。
「1つ持とうか?」
裕君は5つも持っているのに手をあけて、私が地面に置いた袋を持とうとした。
「あっ全然大丈夫だよ!裕君の方が重そうなのに・・・。これ以上持たせらんないよー。」
私が手をブンブンと横に振ると裕君は怪訝そうな顔をした。
「それより買いすぎちゃったかなー?えへへ。合宿の買出しってこんなに大変なんだね~クジ外れて最悪ー」
ちょうどそのときバスが来た。私はストレッチを終え袋を持つと、横で裕君が笑いを堪えていた。
私は、ん?という顔をしながら袋を持ち、バスに乗った。
バスの中は少し混んでいた。
私は、袋を置くその幅を取るわけにも行かない。
と思いながら踏ん張っていた。
「そんな顔してたら笑われちゃうよ。」
裕君はくすくす笑いながら窓の遠くの方を眺めて言った。
私は、もうーっと頬を膨らませながら周りを見渡すと、皆私に注目し、唖然としていた。
しかし私と目が合い、全員俯いてしまった。
私はむなしくなり、膨らんでいた頬もしぼんでいった。
横でまだ裕君がくすくす笑っている。私は意地悪ぅーといいながら窓の方へ目線を移した。
そこには西日が山に隠れ始めるところだった。横を見ると裕君の顔が、西日に照らされていた。
私の心臓がドキンッとなった。
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