第1章

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私は真菜と一緒に、食事の手伝いをしに食堂にやってきた。 「あっ花咲さんも来てくれたのね。」 上の棚から調味料をだそうとしていた桜川先生が、一瞬振りかえり私たちに気付いた。 「あっはい。2人で大丈夫かなと思ったので。」 人見知りの私が遠慮がちに言うと、桜川先生がニッコリと微笑み、また調味料を探し始めた。 「そうだ、橘さんトラックにお茶が入った段ボールがあると思うの。今のうちに冷やしておきたいから取ってきてくれる。」 と、桜川先生がよいしょっと言いながら、土台に使っていた椅子から下り、取り出したと思われる醤油を並々とお鍋に注ぎながら言った。 「あ、はい。」 そさくさと行ってしまった真菜を追いかけようとすると、桜川先生が、 「あっ花咲さんはこのうどんの袋あけてくれる?」 とお玉で鍋の中をかき回しながら言った。 「えっと、ハサミはさみ…。」 私が物色し始めるとうどんの下に埋もれてしまっていた。 「あぁ・・・。」 私は一つ一つ隣にどけていくと、ハサミが姿を現した。 「あったぁ!」 とハサミを両手でバッと上にあげた。 はぁ・・・。とやっと手に入れた気分になった。 「花咲さんって…。天然?」 私はハッとしてうどんの袋を切り始めた。
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