411人が本棚に入れています
本棚に追加
********
「はい、あ~ん、おいし?」
小さなスプーンで甘口カレーをすくい、準の口へと運ぶ。
「おいち、」
最近ちょっとずつ喋れるようになってきた準に微笑む。
「よかったぁ」
口元についたカレーをおしぼりで拭う。
「あ~やっぱり葵くんのカレーは世界一美味しいな~」
目の前に座る瞬くんが美味しそうに、辛口カレーを頬張る。
それを見てるだけで幸せな気分♪
「ママ~っ、おかわりぃ、おかわりぃ」
瞬くんの隣に座る若葉がおかわりぃとねだる。
「んふふ、おかわりね。でもその前に、お口のまわりフキフキしよっか?」
若葉のお口のまわりは、カレーがいっぱいついていた。
それをおしぼりで懸命に拭いてる姿にも、愛しさを覚える。
カレーを皿に持って手渡すと、嬉しそうに食べ始める。
こんな無邪気な可愛らしさは、瞬くんにそっくりと、微笑む。
「まんまぁ…」
ふいに裾を引っ張られて横をみると、ちょっぴり泣きそうな準。
「ミルクちょっとまっててね」
急いで台所でミルクを作ってると、奈津がやってきた。
「ん?どうしたの?」
「ミルク、ぼくのませる」
最近、よく奈津は準にミルクを飲ませるようになった。
ほんとにお兄ちゃんらしくて、嬉しくなる。
「はい、ありがとね」
ミルクを渡すと、駆けていく奈津。
その後ろ姿にも、愛しさを感じた。
*
最初のコメントを投稿しよう!