第一章 非日常は突然に

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俺は、こいつとの会話が好きだ。 こんな関係がいつまでも続いてほしいとさえ思っている。 俺の隣では、哲太が昨日テレビで見た女優が可愛かったやら、あのバラエティは面白くなかったなど喋っている。 俺はいつもそれに対して気のない相槌を打つだけだが、こいつは俺の性格を良く知っているのであまり気にしていないようだ。 「そうだ!!薫、あのニュース見たか??」 哲太が唐突に質問してきた。 どのニュースだか分からない俺は首を傾げる。 「なんだよ。あのニュースって?」 「え?!知らねえの!?」 哲太は心底驚いた顔をしている。 そんなさも俺も知ってて当然て反応をするな。 だからどのニュースか分からねえんだって。 「最近話題のニュースだって!!今朝もニュースでやってただろ?!」 最近話題のニュースねえ……。 ニュースなんて聞き流してるだけだから、ちゃんと見てねえな。
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