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「いや、全く知らん」
「はぁ~。お前は情報に疎いな~。仕方がない!俺が簡潔に説明してやるからよく聞いとけよ!!」
「手短にな」
そう俺が釘を刺すと、哲太は「分かってるって」と言い笑った。
「最近.....変死体がよく発見されてんだよ」
「変死体??」
「そう。で、その死体っていうのが.......何故か身体中の血がないらしいんだよ。特に目立った外傷はなし。しいて言えば、身体の二箇所に針の穴くらいの傷がある程度らしい。しかも、その変死体がこの近くで発見されたんだってよ!」
俺が知らなかったのが嬉しいのか、哲太はニュースの受け売りであろう情報を話し始めた。
俺はそんなこいつに自分の意見を話す。
「そんなもん犯人がその小さな傷から血を抜いただけだろ?犯人が医療関係者なら、血を抜くことぐらい簡単にできそうだしな。それで血を抜いた後、死体をその辺に捨てた。別に変死体でもなんでもねえんじゃね?」
「それならなんで傷が二つあるんだよ?血を抜くだけなら傷は一つでいいはずだろ?それに、死体を捨てるんならもっと分かりにくい場所に捨てればよくね?」
「それは........確かに」
「だろ?」
俺を少し納得させたのが嬉しかったのか、哲太がしてやったりな顔で俺をニヤニヤしながら見てくる。
……何となく面白くなかったから、俺は目を合わせないでやった。
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