第一章 非日常は突然に

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会話も終わり、俺は教室を見回した。 担任の話などハナから聞く気などない。 俺の高校は一クラス四十人程で、男女比は半々である。 まだ入学して半月過ぎただけなこともあり、クラスの雰囲気はまだまだ他人行儀な感じが否めない。 すると、空席が一つ目についた。 普段なら特に気にすることもないのだが。 「ーーーおるくん。椎名薫君」 俺は自分の名前が呼ばれ我に返る。 担任が出席確認をしていることに理解するのに、少し時間がかかった。 「…あ……はい」 俺は生返事を返す。 担任が不機嫌そうな顔になったが、すぐに出席をとりだした。 「なにぼ~っとしてんだよ。クラスに気になる奴でもできたのか?」 哲太が小声でからかってきた。 哲太の言葉は無視をして、俺は話し始める。
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