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「見たい……ですか」
「あくまで個人的な意見よ。最終的に決断を下すのは一蹴、貴方自身よ」
「んー……」
「一蹴、貴方自身はどう思っているのかしら?」
「僕自身……ですか」
「そう、周りの意見は一回全て除外するの」
「僕は……」
どうなんだろうだろう……
僕は最初、無意識ではあったが、タロットカードを集める事に何の疑問も持ってなかった。
勇儀さんに指摘され初めて不安を覚えた……なら僕は。
「僕はきっとタロットカードを揃えたいんだと思います……」
「その理由は?」
「好奇心、かな?」
僕がそう言うとパチュリーはクスクスと笑い出した。
「一蹴、貴方は魔女らしい人間ね。男だけど」
「それは褒められてるのかな……?」
「さぁ、どうかしらね?」
「意地悪だ……」
「魔女ですもの」
それは関係ないんじゃ……
そう思いながらも僕はパチュリーとのやり取りに苦笑するのだった。
『…………』
『主は選んだな、我等を導く道を……』
『…………』
『どうした魔術師殿、あまり嬉しそうではないが……』
『ふむ、複雑な心境なのじゃ……』
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