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「渚……それに海斗。あなた達にはね、母さんの……メイジの血が、流れてるんだよ」
十二の時、俺は自分がアースに於いて〝疎まれる者〟だという事を知らされた。
ショックは無い。何故だったか知らねーが、多分理解出来ていなかったんだろう。
その時点で既に十六だった渚の顔が蒼白だった事は、今でも忘れてねえ。自分を罪人だとでも思っているような、母親の顔もな。
そこから、立ち直った。
俺は元より気にしていない。渚はあんな性格だ。自分より母親を心配していた。
拒絶される事を極度に恐れていたらしい母親は、泣いて謝り、喜んでいた。
その時はどうだったか。人並みのガキだったろう。少しばかり運動神経が発達していたくらいのな。
十三になった。
中学へと入学し、色々と親に反発したり、同級生を殴り倒したり。
それでも常識を外れちゃなかった。親嫌いなんざ誰でもなる上、喧嘩の理由はちゃんとあった。渚のスカート捲りやがったからな。
十四になった。
少し自分が歪み始めた。いわゆる不良と呼ばれる奴らの方が、一緒に居て気兼ね無かった。周りの奴らの目は少し変わった。渚は全然変わらなかった。アイツはあんな性格だから。
父親は働き、母親は家事。そんな恵まれた環境に居た事に、そんときゃ気付いてなかったが──問題は無かった。
十五になった。
問題が起きた。
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