たぶん初めてのサキヨミ

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たぶん初めてのサキヨミ

小学生の頃、隣町である事件が起きた。 いわゆるバラバラ殺人事件だ。 テレビのニュースで遺体の一部が見つかっていないと言っていた。 小学生ながらに物騒だなと思いながらも自分には関係ない話だと思っていた。 いつも通り夕食を家族と食べ、風呂に入り、その日は寝た。 朝方、誰かに呼ばれた気がした。 男の人の声だった。 「おい」 「おい」 寝てる私を起こすように声がしていた。 私は布団を畳の上に引いて寝ていた。 寝ている私の近くから声がしていた。 当時、父は単身赴任で家にはいなかった。 四つ上の兄が隣の部屋にいるが鼻が悪く特徴的な声だったがそれとも違った。 寝ぼけているような朦朧とした状態だったが、目を開けると岩が所々にある砂浜だった。
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