俺は絶対に王道を行かない

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「貴女はいったい……それにここは何処ですか?」 意識を周りに戻すと勇士が少女に訊ねているところだった 勇士に見つめられて早速顔を赤くしてやがる クソリア充めに早くもオちたか? 勇士の声を聞き俺じゃなく勇士が主人公であることを思い出す そうだ コイツは正義感が強いからきっと勇者になると言うだろう 勇者が二人いなくてもなんとかなるだろうし俺は断ればいいじゃないか その後は巻き込んだ慰謝料として金でも貰って平凡な暮らしをして のんびりまったり あれ?これ良くね? 王道なフラグ、テンプレ、全部勇士に任せて俺は2ndライフを悠々満喫 いい!かなりいいじゃまいか! 「私はミリア・エルトリス。ここ、エルト王国の第ニ王女ですわ、勇者様。貴方様のお名前をお聞かせ願えますか?」 「俺は水無月勇士。そっちは桐谷冬真です。勇者ってどういうことですか?」 ほらほら勇士 サッサといつもみたいなイケメソスマイルでソイツをもっと悩殺して気に入られやがれ! 「勇者様が…二人!?!」 ……バンナソカナ どうやら勇士の紹介を聞いて、やっと俺の存在に気付いたらしい姫様 俺はそんなに影薄いかよコラ 「…こんなこと初めてですわ。」 こんなこと初めてだってことは、勇者の召喚を何度かやってるのか 俺たちの世界で起こった神隠し事件の幾つかはテメェらの仕業だな ま、そんなことよりまず俺はこの女に言わなきゃならねぇことがある 「あぁ、あんた……エルトリスさん?」 「ミリアでよろしいですわ。」 「んじゃ、ミリアさん。俺は勇者じゃないから。」 コレは言っとかないとな でなければこの後、『封印されし剣を抜け!』とか、『この世界の神に会え!』とかいうイベントに強制的に参加しなければならなくなる その場合、俺みたいな巻き込まれたヤツは中に邪神がいたり、魔王になることになったりと非凡な悪役ロードを行くことになるのが多い そして最後は勇者の手にかかって…… そんなのは絶対にゴメンだ 俺に限って邪神が居るなんてことないだろうがな
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