俺は絶対に王道を行かない

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「…はい??!」 「だから、俺はコイツに巻き込まれて来ただけだ。魔方陣に吸い込まれそうになった勇士が俺を掴んで引っ張ってなぁ……まったく、迷惑なヤツだ。」 まだ言われたことの意味がわからなかったらしいミリアさんに勇士を指差しながら補足してやる 「……巻き込まれた?」 「そ。勇者はあっちで、こっちは一般人。」 まだ信じられないのか呆然とするミリアさん 「ねぇ、冬真。話が読めないんだけど…」 勇士の存在を忘れてた 「……。それは、俺に訊くよりミリアさんとかに訊いたほうがいい。」 「ム、……今忘れてたって顔したね。」 エスパーかお前は 「冬真は顔にすぐ出るから分かりやすいんだよ。俺はエスパーじゃないからね?」 いや、もうエスパーの粋だろ 「――ミリア」 そんな会話をしていると奥の扉から澄んだ声が届いた そこから現れたのはミリアさんと同じ髪の色をした美女 パッと見若くて、二十後半に見える 多分この人は 「お母様。」 やっぱりな 子供を産んだ身にはとても見えない 「ミリア、勇者様をいつまでもここに居させるつもりなの?早くご案内して差し上げなさい。」 うん、なんか女王の威厳がある 「勇者様、ここでは何ですから話は移動してから致します。」 女王さんはミリアさんから視線を移しこちらに目をやる 「…………お二人いらっしゃるのですか?」 「いや、俺は違「では勇者様方ご案内します。」 チョッ 俺の!俺の!俺の話を聞けぇえ! ミリアさんと違いオプションで俺も居ることへの驚きを顔にも口にも出さなかったことはスゴいと思う さっすが女王様! だが、頼むから 「いやあの、だから「どうぞ此方へ。」 俺の!俺の!俺の話を聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!
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