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部屋に着くと袋を机の隣に置き、浴衣を脱がず椅子に座り神操機に顔を近づける。
『ただいま…カミカゼ……』
『祭りは楽しんだようだな……』
まだ何も話してないのにカミカゼは僕の表情で今日の祭りがどうだったかを読んでしまう……やっぱり付き合いが長いからだろうか……そんな事を考えながら僕は答えた。
『うん、楽しかったよ……チョコバナナを食べたり…ヤクモさんが僕と早紀さんのお父さんに間違えられたり……花火も綺麗だったよ。』
『そうか……セイタがそう思っているのなら私は満足だ……』
霊体のカミカゼの手が優しく僕の頭を撫でてくれた気がした。
『ごめんね、カミカゼ。君も連れて行きたかったんだけど浴衣じゃ神操機を持っていけなかったんだ。』
『気にするな……花火はここから見ていた……主達とな…』
カミカゼはそう言いながら僕の両親の写真を指差した。
『お父さん、お母さん。花火、綺麗だったでしょ。今度早紀さんとヤクモさんを連れて来るね。』
僕はカミカゼと両親の写真に向かって今日の出来事を沢山話した。
大事な大事な思い出になるように………
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