2人が本棚に入れています
本棚に追加
僕がこの気持ちに気づいたのはほんのすこし前の事……それまでは僕は早紀さんをお姉さんのように見ていた。
気づいた理由は早紀さんとヤクモさんのやり取りを見ていた時でいつもと違う雰囲気の早紀さんといられるヤクモさんが羨ましかった。多分、これは嫉妬なのかも知れない……
カミカゼ『ふむ、なるほどな…セイタがヤクモに対して嫉妬をしたり、早紀といると胸の高まりが収まらぬ理由が今ハッキリしたぞ。』
名のわからないこの感情を知りたいから僕はカミカゼに相談をした。おじいちゃんだと恥ずかしいからだ。
カミカゼは全てを理解したように頷いて、僕にそう言った。
セイタ『えっ、ホント!早く教えてよ、カミカゼ。』
カミカゼ『セイタは早紀に好意を持っている。簡単に言えば早紀に対して恋愛感情を持ったということになるな。だから、早紀と一緒にいるヤクモに嫉妬したのだ。』
セイタ『僕が……早紀さんに恋愛感情を………』
顔が一気に熱くなったような気がした。いや、気がしたんじゃ無くてホントに熱くなっててかなり赤くなってると思う。
僕の反応を見たカミカゼは予想通りだったのか小さく笑いながら僕の頭を撫でた。
カミカゼ『早紀がセイタの初恋の相手か。お前もそういう年頃になったのだな。』
セイタ『初恋………なんか、嫌だな……』
そう、本当に嫌だった。
『初恋は実らない』
僕はその言葉を信じていたから、本当に大好きな早紀さんが『初恋』の相手であることが嫌だった。
最初のコメントを投稿しよう!