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「はっ、どんな理由かと思ったら復讐かよ…。奴ら相手に…命知らずにも程があらぁ。」
「き、貴様…!何故そうも奴らを持ち上げる!?」
「自慢じゃねぇが、俺の先祖は伊賀の抜け忍でよ…ガキの時分から親父に伊賀という組織の強さ、恐ろしさってやつをこれでもかってくらいに聞かされてんだ。」
「だからわかるぜ。よしんば占拠に成功しても、半日も経たねぇ内にテメェらが全滅するって事がな。」
先も述べた通り、伊賀は最大流派の一つだ。優秀な人材などはいて捨てる程いるに決まっている。
そんな流派にたったの五人で挑んだところで…皆殺しが関の山だ。
「ま、テメェらにはもうどうでもいいこったな。」
「何っ…!」
「復讐なんざする前に、ここで死ぬんだからよ!テメェらは!」
木刀を振りかぶり、統馬は刃毅に飛び掛かる。
「ぅオラァ!」
「ぬぅ!」
刃毅は飛び退いて、振り下ろされた木刀を避けた。
木刀で打たれた床に大きな亀裂が入る。
まさに剛剣と呼ぶに相応しい剣技だ。
「温存しておきたかったのだが…仕方あるまい。」
長刀を構え直し、刃毅が集中し始める。
このままでは統馬に勝てぬと見て、技を使うつもりなのだろうか。
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