大刀

8/22
前へ
/136ページ
次へ
「くらえ我が奥義!無明刃!」 「!」 刃毅が長刀を振り抜く瞬間、統馬は直感的に嫌な予感を感じ取る。 反射的に、彼は身を退いた。 「つおッ…!」 統馬の学ランが、真一文字に斬り裂かれた。 どうやら予感は的中したようだ。 「何だ…!今のは斬撃か…!?」 氣を刀に乗せて振るう事で、斬撃を遠くまで飛ばす技がある。これはとても初歩的な技の一つだ。 だが、あくまで飛ばすのは氣であるため、普通に肉眼で見る事ができる…故によほど速くない限り、防ぐ事も避ける事も容易いのだ。 しかし、刃毅が使ったモノは…見えなかった。統馬の目には少しも。 「見えねぇ斬撃か…あの時退いてなかったら死んでたな…。」 「ちッ…!気取られたか…。だが!」 長刀を再び構え、刃毅はまたしても技を放つ。 「これは防ぎ切れまい!」 それも一発だけではない…幾度も刀を振るい、間断なく放つ。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加