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「づう!」
予感に身を任せ、統馬は見えない斬撃を避けていく。
だが、やはり回避し切れず、右頬、左肩、右太ももを斬り裂かれた。
「畜生が…!調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
威勢よく吼える統馬だが、回避に徹する事しかできない。
「果たして破れるかな!?貴様にこの技が!」
勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、刃毅は尚も技を放ち続ける。
(クソがっ…!全てを避け切るなんざ無理…根本的にこの技を破るしかねぇか!)
致命傷だけは負わぬように、統馬は避けつつ考える。この技…無明刃を破る方法を。
「見えねぇってんなら、見えるようにしてやるよぉ!」
何か思い付いたのか、統馬は木刀を逆手に持ち、床に突きつけた。
(正直…これでどうにかなるかはわからねぇ…。だが、やらねぇよかマシだ!)
「うらぁ!」
全力を込めて、木刀の切っ先を床に叩きつける。
「き、貴様!何を…!」
この突然の行動に、一体何の意味があるのか…刃毅にはわからなかった。
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