13/19
前へ
/136ページ
次へ
「ちょっ、どうしたの皆、そんな顔して…。『人為的』ってどういう事?」 梨花が困惑した顔で、皆の顔を見回す 「先生。外を見てください。」 美雪が窓を指差す 「外を…?」 恐る恐る窓に近づき、梨花は外の様子を見る 「ッッこれは!?」 窓から見た景色…それは彼女が見慣れた景色などではなかった そこには天と地の境界が消え去り、黒か藍か、それとも紺か…ただ鈍よりとした色の空間だけが、広がっていた 「何これ…?何これ!?どうなって…どうなってるの!?」 「先生、落ち着いて!」 余りの事に取り乱す梨花を、雛子が落ち着かせようとする 「しかし…これも『術』か?校舎全体を包み込むなんて…んな大規模なモン見た事ねぇよ。」 外を見ながら、鉄男が不安そうに言う 梨花のように取り乱してはいないが、彼はビビりだ きっと心臓はドキドキと高鳴っているのだろう 「自分の知っている『流派』だけが全てじゃないわ。」 「けどよ…。」
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加