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2008年 5月 21日 『神原町』…東京都の片隅にそういう名前の街があった 名所と呼べるモノはなく、名物と呼べるモノもない…どこか寂しげな街だ そんな街の中心に、美佐神高等学校という名前の学校がある もう放課後だというのに、まだまだ校内には沢山の生徒が残っている この学校では下級生が上級生と早く馴染めるように、最初の行事は文化祭と決まっていた そして、ソレはもう明後日には始まる 故に、今は各々の出し物の準備をしているのだ 3年A組の教室の隅で、一人の男子生徒が座りながら黙々と赤と白の紙で花を織っている 「七志(ななし)。」 不意に自分の名を呼ばれ、七志という名前のその男子生徒は顔を上げた 目の前には髪を肩まで伸ばした男子生徒がいる 「鉄男の野郎を呼んできてくれねぇか?また屋上にいると思うからよ。」 「…………。」 その男子生徒のお願いに、七志はコクリと頷き、立ち上がる 「おーい、統馬。こっち手伝ってくれ。」 大きな看板を持った生徒が、男子生徒の名前を呼ぶ 「わかった。じゃ、頼んだぜ。」 そう言って、統馬という名の男子生徒は手伝いに行った 七志も鉄男という生徒を呼びに行く
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