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「うぉあぁ!?」 突然呼ばれた事に驚いたのか、その身体を大袈裟に振り向かせた 「って、七志じゃねぇか…。ビックリさせんなよ…。」 この鉄男という男子生徒は200cmはあろう立派な巨躯の持ち主であるが、中身は小心者で臆病…つまりビビりであった 七志に驚かせるつもりはカケラもなかった…にも関わらず、大袈裟に驚いてみせたのが何より大きな証拠だ 「お前が屋上に来るたぁ珍しいな。一体どうしたよ?」 「…統馬が呼んでる。」 「統馬が…?わざわざ呼びに来てくれたのか、ありがとうよ。」 鉄男がドアに向かって歩き出す…教室に戻るためだ だが、七志とすれ違った瞬間…足を止める 「風…気持ちわりぃな。何も起きなきゃいいが…。」 そう呟いた後、再び歩き出した 鉄男はビビりの性分なのか、そういった不穏な気配には人一倍鼻がきく 彼とは付き合いの長い七志はソレを知っていた
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