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「…………。」 何とも言えぬ不気味な風を気にしつつ、七志は作業を再開するために教室へと戻る 先程上った階段を、今度は下りていく 階段の下に美雪と雛子の姿はなかったが、代わりに一人の女生徒が立っていた 「…聖(ひじり)か。」 七志が女生徒の名前を呼ぶ 知り合いだったようだ 「七志先輩…こんにちは。」 挨拶と同時に、会釈をする聖 七志を先輩と呼んだ彼女は一学年下…つまり二年生だった 「……………。」 こんなところで何をしている? とでも言いたげな視線を、七志は聖に向けた そんな事は口に出せば簡単に伝わるのに…無口すぎにも程というモノがある だが、彼女も彼とは付き合いが長いようで、言いたい事をすぐに察知した 「雛子先輩にコレを借りたので、返しに来ました。」 そう言うと、聖は手の平に握っていたヘアピンの入ったケースを見せた
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