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「…………。」
それを見た七志が、黙ったまま右手を差し出す
「代わりに返しに行ってくれるのですか?ありがとうございます。」
軽く微笑み、聖は七志にケースを手渡す
「それでは失礼します。」
また会釈をして、聖は下の階に下りていった
それを見届けた後、七志は教室に向かって歩き出した
…大勢の生徒がごった返していた校内も、日が暮れてすっかり暗くなったころには静かになっていた
今は夜の7時半…残っている生徒も僅かだろう
だが、まだ七志は教室にいた
今度は看板にペンキを塗っている
彼の他にも教室には統馬、鉄男、美雪、雛子の四人がいた
彼らも彼らで作業をしている
「あら、貴方達まだ残ってたの?」
開いていた教室のドアから、私服の上に白衣を着た女性が現れた
その姿から生徒ではなく、教師である事が見てとれる
「あ、梨花先生。」
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