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「殺れるモノなら殺ってみるがいい…貴様には無理だが…な。」
「ふん!その顔!歪ませてやるぅぅ!!」
今度こそ七志の息の根を止めようと、文也は三度躍りかかる。
が、またしても目の前から七志が消えた。
「ちぃ!またか!」
文也は反射的に振り向いた。また背後に回れたと思ったのだろう。
だが、七志の姿はそこにはなかった。
「いない…こっちか!」
右に顔を向けるが、そこにもいない。
「ぬう!素早い奴!」
反対側にも目をやるが、影一つ見えない。
「影すら見えぬとは…!風魔の奥義とはこれ程のモノなのか!?」
七志の殺気は確かに感じる。だが、全く彼の姿を捉える事が出来ない。
「ッ!?」
文也は決して無能な忍という訳ではない。その証拠に、僅ではあるが七志の気配を感じ取る事ができた。
…しかし、少々遅かったようだ。
「ぐっ!?ぎゃあぁぁぁ!?」
右腕が二本…空中に舞う。
防ぐ間もなく、一瞬で斬り飛ばされたのだ。
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