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七志と別れた美雪。
罠や敵の気配を探りつつ、彼女も廊下を全速力で駆け抜けていた。
「何の気配も感じない…。七志の行った道はトラップだったのかしら。」
七志の事は心配ではあるが、今さら引き返す訳にはいかない。
「たとえ罠が仕掛けられていたとしても、七志ならきっと切り抜けられるはず。」
七志と美雪は従兄弟同士だった。故に物心つく前からの付き合いがあり、当然彼の実力も知っている。
「今は、私は私自身の事だけを考えるべきね。」
小さくそう呟いた後、美雪はさらに速度を上げて走り出した。
「!」
廊下の先に光が見える…。
「終点かしら…。」
速度を緩める事なく、美雪は光を目指して走り続ける。
光の先に、見覚えのある空間が見えた。
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