幻惑

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臆する事なく、美雪は空間に飛び込む。 彼女の視界にドーム状の大きな広間と、学ランの男が入った。 「女か…よく来たな。歓迎してやるぞ。」 美雪を見て、男はニヤリと笑った。 それは、戦う前に勝利を確信した…とても嫌な笑みだった。 「歓迎ならいらないわ。…貴方の命は欲しいけれど。」 殺気を放ち、美雪は構えを取る。 「ハッ、随分と勇ましい女だな。俺の命…取れるモノならば取ってみるがいい。」 「言われなくても…そのつもりよ!」 美雪が男に向かって走り出す。 「せい!」 男の心臓目掛けて、鋭い手刀を繰り出した。 「うおっと!」 身を翻し、男はそれを避けた。 予測以上に美雪が速かったのだろうか、男は少し驚いた表情をする。 「中々鋭い攻撃じゃないか。こっちもいかせて貰うぞ!」
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