幻惑

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懐から何かを取りだし、それを美雪に投げつける。 先を削った鉛筆のような物体が、美雪の目に飛んできた。 「棒手裏剣!?はっ!」 飛んできた物体…棒手裏剣を左手で払いのける。 「一本では足らんか!ならば!」 左手に三本、右手に三本、計六本の棒手裏剣を、再び美雪に投げつける男。 「残念だけれど…まだ足りないわ。」 美雪が氣を発する。 すると、彼女の周囲に無数の小さな氷塊が出現した。 「何!?氷!?」 「私を倒すには…ね。氷撃破!」 無数の氷塊が飛翔する。まるで弾丸のように。 飛んできた棒手裏剣を尽くはね飛ばし、男に向かって飛んでいく。 「ぬう!」 襲いくる氷の弾丸を、男は何とか掻い潜った。 「ツッ!」 男の肩に血が滲む。どうやら一発だけかすめたようだ。
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