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自分の好きな教師が来てくれたのが嬉しいのか、雛子はにこやかに手を振る この梨花という教師は保健医を勤めており、誰にでも優しく、悩みにも親身になって接してくれる事から、生徒達に人気があった 「そろそろ切り上げて帰ったら?親御さんが心配してるわよ。」 「帰りたくても帰れないんですよ~。うちのクラスの男子ってば皆消極的で。」 雛子がおどけた口調で愚痴をはく それを聞いて、統馬は少しムッとした 「おい、皆ってなんだ皆って。少なくとも俺はやってんだろうが。」 「ああ、統馬となっちゃんはちゃんとやってたね。」 「おい、俺だって今はちゃんとやってんぞ?」 自分の名前が上がらなかった事を気にしてか、鉄男が『自分はちゃんと作業をしている』というアピールをする 「うるせぇ。しょっちゅう屋上にサボりに行きやがって…このデクの棒がッ。」 「ッんだと統馬ぁ!」 その言葉にキレた鉄男が統馬に詰め寄る 「あ?俺とやる気かテメェ。」
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