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「主に食糧を保存するために使われいていたこの術を、攻撃に転用したのが私の忍術よ。」
「なるほど…故にアイヌ流か。面白い…。」
懐から棒手裏剣を三本取り出して、男は怪しく笑う。
「術を見せて貰った礼…という訳ではないが、俺の術も見せてやろう。」
男が精神を集中させ、何か念じ始めた。その身体から湯気のように氣が溢れ出ている。
「悪いけど、妨害させて貰うわ!」
先ほど出した氷塊を、男に投げつける。しかし、氷塊は男をすり抜けていった。
「ッ!」
「ククク…さあ、惑え!震えろ!」
大きく氣を迸らせて、男は美雪を威圧する。
来るか!と美雪は身構えたが、男はスーッと消えてしまった。
「!?…消え…た…?」
あれほどの圧力を浴びせながら、攻撃するでもなく消え失せてしまった男とその気配。
もしかしたら、これから攻撃に出るのだろうか。
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