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「ククク…怖いか?だが、安心しろ。それもじきに終わる。」
大勢の孝が一斉に棒手裏剣を取り出す。
「貴様の死をもってな!」
美雪目掛けて、一斉に放たれる棒手裏剣。前後左右からの同時攻撃…普通ならば回避の仕様がない。
だが、美雪にはこれを防ぎきる手段を持っていた。
「はあぁぁ!!」
両手を床につけると、彼女の周りに氷の壁が出現する。これならば防ぐ事ができるだろう。
しかし、些か棒手裏剣の数が多い。もしかしたら、どこか破られるかもしれない。
視界を覆うほどの棒手裏剣が美雪に迫る。
(負傷は覚悟の内…!死ぬよりかは遥かにいい!)
腕の一本、足の一本失おうとも、死ななければ反撃も可能…美雪はそう考えていた。
ガッ!と音を立てて棒手裏剣は氷の壁に突き刺さった。…たったの三本だけ。
あれだけの大勢が投げてきたのに、実際に刺さったのは三本だけ…。
それを見て、美雪は孝の術の正体に気づいた。
「これは幻術…!」
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